最初に買うならどんな楽器? 〜楽器屋さんでの選び方〜|還暦から始めるジャズベースの練習日記

還暦を迎えて「よし、ベースを始めてみよう」と思ったとき。 最初にワクワクするのはやっぱり“楽器選び”です。 楽器屋さんに並ぶたくさんのベースを前にすると、つい立ち止まってしまいます。

「どんな形を選べばいいんだろう?」 「重さは大丈夫かな?」 「値段の違いってどこにあるの?」──。 そんなふうに迷うのはごく自然なことです。 むしろ最初に戸惑うからこそ、楽器選びは特別な体験になるのだと思います。

そして、ここで大切なのは「正解の一本」を探し出すことではありません。 肩にかけて「これならいけそうだな」と思えたり、音を出して「この響きが好き」と感じられたり。 そんな小さな“しっくり感”の積み重ねが、楽器との出会いを納得できるものにしてくれます。

特に心強いのが、楽器屋さんの存在です。 ベースに詳しいスタッフがいるお店なら、わからないことは何でも相談できます。 「こんな音が好き」 「このベーシストに憧れている」 と伝えるだけで、自分に合ったモデルを一緒に探してくれます。

最初の1本の選び方

楽器屋さんに足を踏み入れた瞬間、目に飛び込んでくるのは壁一面に並ぶベースたち。 その中から「これだ」と思える一本を見つけるのは、ちょっとした冒険のようです。 でも大丈夫。 いくつかのポイントを知っておくだけで、迷いながらも楽しく選ぶことができます。 次の章では、そのポイントを順番にご紹介していきます。

ベースに詳しいスタッフのいるお店へ

楽器屋さんといっても、大型店から小さな専門店までいろいろあります。 どこに行けばいいのか迷う方も多いでしょう。

大型店は種類が豊富で、いろんなベースを一度に見られる安心感があります。 街の専門店は落ち着いた雰囲気で、スタッフがじっくり相談にのってくれる魅力があります。

特におすすめなのは、ベースに詳しいスタッフがいるお店です。 「手が小さいから弾きやすいものを」 「ジャズっぽい音が欲しい」 と伝えるだけで、的確なモデルを提案してくれます。 弦やアンプの選び方までアドバイスしてくれるので、初心者にとっては大きな安心です。

楽器屋さんに行くこと自体が第一歩!

お店に足を運ぶこと自体が、もうベーシストとしての第一歩です。 楽器がずらりと並んでいる光景を見るだけでワクワクします。 「本当に始めたんだな」という実感が湧いてきます。

最初から「買う」ことを目的にしなくても構いません。 まずは見て触って、音を聴いてみる。 その体験そのものが、音楽ライフをぐっと身近にしてくれるのです。

肩にかけて分かる“重さと持ちやすさ”

還暦から始める方にとって、体への負担は大切なポイントです。 同じ価格帯でもベースによって重さが違い、肩や腰にずっしりくるものもあれば、軽やかに持てるものもあります。

実際に肩にかけてみて、「これなら長く弾けそう」と思えるかどうかを確認してみましょう。 無理なく持てる楽器は、練習を続ける大きな力になります。

ネックを握って“手に合うか”を確かめる

次に大切なのがネック(長い部分)の太さや握りやすさです。 プレシジョンベースはやや太め、ジャズベースは少し細めといった違いがあります。 でも、数字を見てもピンと来ないものです。

だからこそ、実際に手で握ってみることが大事です。 「なんとなく握りやすいな」 「これなら指が届きそう」 と感じられるかどうか。 指や手首に無理がなければ、練習も楽しく続けられます。

音を鳴らして“好きかどうか”を感じてみる

ベースは音が命。 でも最初から専門的に判断する必要はありません。 お店でアンプにつないで、店員さんに音を出してもらいましょう。

その響きをじっくり聴いて、自分でもルート音を鳴らしてみる。 「この音、なんだか好きだな」──。 その直感こそが大事です。 理屈よりも、自分の耳と心がどう感じるかを信じて選んでみましょう。

店員さんとの会話で不安を解消する

お店に行ったら、ぜひ店員さんに気軽に話しかけてみてください。 「軽めのベースが欲しいんですが」 「ジャズをやってみたいと思っていて」といった希望をざっくり伝えるだけで大丈夫です。

さらに、好きなベーシストがいればぜひ伝えてみましょう。 「ポール・マッカートニーが好き」→ 丸い音のモデルやホロウボディを紹介してくれるかもしれません。 「ジャコ・パストリアスに憧れている」→ フレットレスやその音色に近い機種を教えてくれるかもしれません。 「ロン・カーターの音に惹かれる」→ ウッドベースやジャズ向けのセッティングの話になるかもしれません。

こうした会話は、自分に合った一本を見つける近道になります。 そして、これからも相談できる相手とのつながりにもなるはずです。

何店舗か回って納得のいく一本を!

最初に入ったお店で決めなくても大丈夫です。 むしろ、いくつかのお店を回ってみることをおすすめします。

お店ごとに楽器の品ぞろえや雰囲気、店員さんの接し方は違います。 ある店ではにぎやかに声をかけてくれるかもしれませんし、別の店ではじっくり寄り添って相談にのってくれるかもしれません。

その中で「この人になら、これからも相談できそうだな」と思える店員さんに出会えたらラッキーです。 楽器は買って終わりではなく、弦交換やちょっとした不具合など、これから先もお世話になることがあるからです。

焦らずに何店舗か見て回って、気の合う店員さんから“納得のいく一本”を選ぶ。 その時間そのものが、もう音楽を始める楽しみの一部になります。

まとめ

最初の一本を選ぶときは、楽器屋さんで体験しながら選ぶことをオススメします。 重さ・ネック・音・会話──五感で確かめることで、自分にとってしっくりくる楽器に出会えます。

そして、ベースに詳しい店員さんや気の合うスタッフと一緒に選んだ一本は、ただの楽器ではなく“長く付き合える相棒”になります。 「このベースと一緒に音楽を始めたい」と思える気持ちが、何よりの出発点です。

楽器屋さんでの時間をじっくり楽しみながら、納得のいく一本を見つけてみてください。 その瞬間から、もうあなたの音楽ライフは始まっています。

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